怒るより怒らないほうがいい 「人知らずして いからず」
学んで時にこれを習う ともあり遠方より来たる 人知らずしていからず
この3つで1つのまとまりになっている。
最初の2つはよく知られているけれど、最後の句は前の2つほど有名じゃない。あまり訳をすぐにイメージしにくいからだろうか。
論語新釈 (講談社学術文庫 451)には次のように訳されている。
己の学問の成就したことを人が知らなくても、泰然自若として、少しも不平らしい心を起こさない
完璧にマスターしたことから得た考えやヒントを伝えようとしても、相手が分かってくれない、理解を示してくれない。そんなことがあっても気にせずに、イラっとしないようにする。(それが君子ってもの)
自分のことや話を分かってくれない相手にイライラしたり、怒ったりすることはしょっちゅうある。といっても、孔子のように自分が完璧にマスターしからでなくて、こちらの考えも穴だらけという場合が多い。
だから孔子の言う 人知らずしていからず とはちょっと違う。
けれども、どちらにしても大切なのは「いからず」ってことだろう。
自分であろうと相手であろうと、分かり合えない、分かち合えないからと怒っていては、永遠にそのまま。場合によっては、いつかは分かり合うチャンスさえも見失ってしまうかもしれない。分かり合えないのはタイミングが悪かっただけ、いずれ自分や相手も成長して、分かり合える日がくる。そう信じて、待つしかない。
かなり拡大解釈かもしれないけれど、そんなふうに考えてみた。
自分の場合、しょっちゅう怒ってしまうのだが…。
(できるだけ)怒らない自分を目指してみるか。
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